イギリスの老舗ファンシーツイードメーカー、リントン社。1912年、スコットランド人のウィリアム・リントンが、スコットランドとの県境にあるイギリス北部、カンブリア州カーライルに、「リントン・製造工場」を創設したのが始まりです。 設立当初は、たった2人のセールスマンとポニーで湖水地方を周り、ウール原料を仕入れては、毛織物にしたスーツ着分を売り歩いていましたが、1920年代、友人の紹介で、ココ・シャネルと出会い、その出会いはリントン社の運命を変えるものとなりました。シャネルとの取引は年を追うごとに大きくなり、大手メゾンのシャネルは、リントン社の最上で最も名声のある顧客に。結果、リントンのツイードは「上質」の代名詞となり、その極めて美しい生地はファッション界の常連となりました。その後リントンの生地はアメリカへ。アメリカでも、シャネル社が使うツイードということで大注目を集め、ヨーロッパのみならずアメリカでも名声を得ることに。 時代を経て、世界の情勢の影響を受けて業績が落ち込むこともありましたが、リントンのツイードは今もなおハイクオリティかつハイセンスな生地として、多くの人に支持されています。