タイの名産品、タイシルク。中でも、最高級ブランドとして世界に君臨するのが「JIM THOMPSON （ジム トンプソン）」です。伝統的な技と近代的な技術を融合させ、世界にタイシルクを知らしめた「JIM THOMPSON（ジム トンプソン）」のタイシルクへの情熱をお届けします。

第二次世界大戦前後、タイシルクは安価な大量生産の繊維製品におされ、衰退の一途をたどっていました。ちょうどその頃、米軍の諜報機関の一員としてタイに派遣されていたジム・トンプソンは、タイシルクの美しさに魅せられ、復興、復旧に尽力したのです。タイシルクは、その艶やかな光沢と輝きから「タイの至宝」ともいわれています。その輝きの元は、"カンボージュ"と呼ばれる野生の蚕。カボージュは黄色い繭で、とれる糸は太く、結い合わせたとき、光の反射が複雑になり艶やかになるのです。「JIM THOMPSON（ジム トンプソン）」では、タイの黄色い繭と日本の白い繭をかけ合わせて、艶やかさと品質の良さ、両方を兼ね備えたシルクを作っています。元々、民族的な衣類としてしか織られていなかったタイシルクを、反物の生地にしたことで、ネクタイやスカーフ、ポーチ、バッグ、さらにインテリアファブリックなど用途が広がり、世界的に受け入れられるようになりました。さらに、色落ちしない染料を使用したり、西洋的なデザインを取り入れたりと、伝統を守りながらも新しいタイシルクを生み出したのです。