ジャン・プルーヴェは近年特に現代アートのコレクターなどの間で再注目されて人気のあるフランスを代表するインテリアデザイナーです。2017年にサザビーズのオークションにおいて破格の123億円でジャン・ミッシェル・バスキアの作品を落札させ話題となった現代アートコレクターの前澤友作氏がジャン・プルーヴェの熱烈なコレクターであることも今ジャン・プルーヴェが注目を集める理由なのかもしれません。そんなジャン・プルーヴェ人気の中、この夏に東京都現代美術館で「ジャン・プルーヴェ展　椅子から建築まで」が開催されています。20世紀の建築および工業デザインの進歩に多大な影響を与えたジャン・プルーヴェを紹介する大規模な展覧会でジャン・プルーヴェが手がけたオリジナルの家具や建築物およそ120点が図面やスケッチなどの資料とともに紹介されています。アール・ヌーヴォー全盛期のフランスに生まれ、金属工芸家としてキャリアをスタートさせ、1930年代にはスチール等の新たな素材を用いた実験的かつ先進的な発想を家具から建築まで拡げていったジャン・プルーヴェ。大量生産の要請に応えるべく公共機関や大学などに向け数多くの量産家具を手掛けましたがそのなかでもジャン・プルーヴェにとって椅子は重要でした。美しく整った形を保ちながら同時に強さと人間工学に基づいたフォルムの合理性が交わるような独自のデザインを探求し続けたのです。